JR西は来年春頃までに整備計画を遺族らに伝え、来年度中に着工、18年度中の整備完了を目指す。
マンションを含む事故現場を巡っては、「落ち着いて慰霊ができ、JR西の社員は再発防止を誓える場所に」と、JR西が06年12月までにマンションを買い取った。遺族らへのアンケート結果を踏まえ、今年7月には、4階までを残し、ドーム状の屋根を架けるなどとした中間案を出していた。
中間案には、遺族の半数が賛同の意見を寄せていたが、「明るい雰囲気にしてほしい」との一部の要望を受け、最終案で屋根に設ける採光用の天窓を大きくし、生け垣の高さも低く抑えることにした。また、電車の運転士が現場を通る際、マンション1階の衝突現場が見えやすいよう、線路脇の壁を一部ガラス素材にし、再発防止の意識を持てる内容に変更した。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20141129-OYT1T50055.htmlJR西は今年7月、事故の痕跡が残るマンション4階部分(高さ約15メートル)まで保存する整備案を提示。4階から3階、2階、1階と階段状にし1階部分はすべて残す案で、「マンションを見ると事故を思いだしてつらい」といった声に配慮し、全体を緩やかな弧を描いた屋根で覆う案だった。
これに対し、遺族らから「運転士からもマンションがもっと見えるように」といった意見が複数寄せられたため、JR西は整備案の一部を見直し、この日の説明会で最終案を示した。
http://www.sankei.com/west/news/141129/wst1411290034-n1.html尼崎JR脱線事故の遺族らでつくる「4・25ネットワーク」は8日までに、今後の在り方を見直すことを決め、メンバーら約180人から意見を募る。例会の参加者が減り、活動は事実上の縮小状態にある。事故から4月で9年。これまでの活動の意義を振り返った上で、存廃も含めて方向性を考える。(宮本万里子)
同ネットは、事故2カ月後の2005年6月に発足。代表者や規約などは設けず、緩やかなつながりとして出発した。
亡くなった家族の乗車位置を調べたり、事故原因などを問う公開質問状をJR西日本に出したりして活動。例会は当初、月1回開き、初回は45人参加したが、ここ2年ほどは数人に減り、開催も2カ月に1回となっている。
3月と5月下旬の例会では、活動の存廃や休止▽定期例会を不定期に▽新たにテーマを設定して集まる‐など、あらゆる形を視野に意見交換する。
妻と妹を亡くした同ネット世話人の浅野弥三一(やさかず)さん(72)=宝塚市=は「当初は不安を癒やす役割を果たしたが、共有テーマが減り、在り方を変える時期を迎えた。いろいろな意見を聞き、考えられれば」と話した。
尼崎JR脱線事故の遺族や負傷者らに、JR西日本が安全対策の状況などを伝える説明会が17日も伊丹市内で開かれた。JR西の真鍋精志社長らが、事故車両が衝突した尼崎市久々知のマンション(9階建て)を2階部分まで一部保存する‐などの具体案を説明。出席者から「保存部分を囲わないで」と求める声が相次いだ。
説明会は16日に始まり、非公開。この日は遺族と負傷者ら計123人が出席した。
今回は、JR西がマンション保存案を図とともに提示。16日は「全保存」「撤去を」などの声が出たが、この日は保存部分が直接見えないよう「囲う」とする案に「横を通る電車の運転士に見えるようにして」と求める意見が多かったという。
長女を失った藤崎光子さん(73)=大阪市=は「『見えるように』という意見に同感。そうでなければ、事故の教訓が引き継がれない」と話した。
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201311/0006504757.shtml尼崎JR脱線事故の被害者らを対象にJR西日本が安全対策の状況などを伝える説明会が10日、兵庫県伊丹市内のホテルで始まった。同社は事故現場 (尼崎市久々知)について、車両が衝突したマンションを一部保存し、慰霊碑や、事故関連資料の展示施設などを設ける‐とする整備案を提示。出席者からは 「事故を実感できる場にしてほしい」などの意見が出た。
説明会は毎年開催。今年は10、11日、午前は負傷者とその家族、午後は遺族らを対象に計4回開く。非公開で、初日は負傷者ら103人、遺族73人が参加。JR西からは真鍋精志社長ら役員10人が出席した。
同社は10日、犠牲者を慰霊し、安全を誓う「祈りの森」をイメージに掲げ、慰霊碑の設置▽周囲から見えない形でのマンション一部保存▽事故を記録する資料の保管・展示▽緑に囲まれた穏やかな空間づくり‐などの案を図で示し、説明した。
出席者からは「事故を実感できる視点を」「遺品展示などは被害者と一緒に考えてほしい」「開かれた場所に」‐などの声が上がったという。
次男を亡くした上田弘志さん(58)=神戸市北区=はマンションの全部保存を望む。強制起訴された井手正敬元会長らの裁判が続いていることから「事故原因 もはっきりしない中、現場について考える段階ではない」と強調。2両目で大けがをした松原友子さん(28)=西宮市=は一部保存に賛成する一方、「いろい ろな意見を少しずつ聞いて、心が落ち着く場にしてほしい」と求めた。
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201211/0005517037.shtmlJR西日本は10日、乗客106人が死亡したJR宝塚線(福知山線)脱線事故についての説明会を兵庫県伊丹市で開き、事故現場を「祈りの森」として整備するイメージ案を初めて被害者側に示した。
説明会には遺族や負傷者ら176人が参加した。
JR西は、事故現場のマンションは一部を残して取り壊し、現場一帯に植栽する、などの案を提示。「木々に囲まれ、厳粛で落ち着きのある、祈りの森といった空間となるよう整備することを考えている」と説明した。
終了後の会見で、真鍋精志社長は「現場について初めて私たちのイメージをお伝えしたが、まだまだご意見をお聞きしないといけない。被害者や現場周辺の方々と一緒に検討を進めていきたい」と話した。
http://www.asahi.com/national/update/1111/OSK201211100147.htmlJR宝塚線(福知山線)脱線事故で、JR西日本は19日、兵庫県伊丹市で遺族や負傷者への説明会を開き、事故当時のままになっている脱線車両が衝突したマンションなど現場のあり方について、本格的に検討を始める方針を表明した。遺族らの間でも考えに隔たりがあり、アンケートに加え有識者の意見も参考にしつつ方針を固める。
JR西は2006年12月、脱線した先頭車両が衝突した兵庫県尼崎市の9階建てマンション「エフュージョン尼崎」など一帯の土地約1900平方メートルを購入。今年7月にはマンション東側の青果卸売会社の土地約3千平方メートルの購入についても地権者と合意し、現場を整備する準備を進めている。
マンションの扱いについては、保存から撤去まで、遺族らの意見は分かれる。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201111190039.html尼崎JR脱線事故5年を前に神戸新聞社が実施したアンケートで、電車が衝突したマンションの今後について、遺族と、事故車両の乗客のいずれも約40%が、何らかの形での保存を望んでいた。事故2年のときに乗客で最多だった「取り壊す」は減少傾向。JR西日本は「被害者に多様な意見がある」として方針を決めていないが、アンケートには意見の集約を求める声もあった。
マンションは9階建てで、事故後、JR西が買い取り、管理している。
今年のアンケートは遺族64人、乗客90人が回答。マンションの保存や取り壊しなど6項目を挙げて尋ねたところ、遺族も乗客も、ほぼ同じ割合で意見が分かれた。「その他」では、遺族を中心に「考える気持ちになれない」「マンションは第二のお墓。今は絶対に触るなと思っている」といった強い思いも聞かれた。
事故2年のとき、乗客は「取り壊す」が42・0%で最多だった。遺族は「保存」が35・5%で最も多く、乗客との意見の相違が見られた。その後、乗客は年々「取り壊す」が減り「保存」が増えた。
精神的な影響が残る負傷者からは、今年も「早く壊してほしい」「電車から見えないように」との声が出た。一方で、慰霊の場を望む人が乗客、遺族とも目立ち、阪神・淡路大震災の死者を悼む神戸のモニュメントを例に挙げる人もいた。
子どもを亡くした女性(49)は「来年は七回忌。命の意味を伝える追悼碑があってもいいと思う」と記した。息子を失った男性(72)は「ほったらかしはひどい。JR西は意見がまとまらないというが、まとめられる場を設けてほしい」と訴えた。
JR西は、マンションを含む事故現場の扱いについて「大きな課題だが、いろいろな声がある。周辺住民の意見も踏まえ慎重に検討したい」としている。
http://www.kobe-np.co.jp/backnumber/ama_dassen/0002899044.shtml尼崎JR脱線事故で、快速電車が衝突したマンション「エフュージョン尼崎」(四十七世帯)の住民総会が二十二日、尼崎市内で開かれ、JR西日本が同マンションの管理者になることが了承された。
マンション管理組合によると、これまでに四十世帯がJRとの補償交渉に合意。同社が購入時価格で買い取る条件でマンションの所有権が同社に移されている。
会合には、合意していない四世帯四人が出席。住民でつくる理事会の解散に全員が同意した。JR西が管理者となるが、住民間の情報交換のため、管理組合は今後も存続させることも決めた。
三月から管理組合の世話人を務める元住民の男性(44)は「合意が未成立の人の負担も少しは軽くなるのではないか」と話した。
http://www.kobe-np.co.jp/rentoku/jr_amaren/jr_news/2006/2006022301.shtml尼崎JR脱線事故で快速電車が衝突した尼崎市のマンション「エフュージョン尼崎」(四十七世帯)の補償問題で、JR西日本が購入時の価格で部屋を買い取ることで一世帯と合意に達したことが二十四日、分かった。
関係者によると、マンション住民と補償交渉の合意は初めて。同社の補償担当者と住民が個別交渉し、二十三日に合意したという。遺族も含め、交渉がまとまったのは初めてとみられる。
JR西日本は今月五日、住民を対象に説明会を開き、購入時の価格による全戸買い取りを提示していた。同マンションは二○○二年に建設され、分譲価格は千八百万―二千七百万円という。
提示に対し住民の多くは「同じ条件の物件は今は手に入らない」と反発し金額の上乗せを要求したが、JR側は「購入時価格が限度」と繰り返し、物別れに終わった。
その後、同社は各世帯に個別交渉を打診。二十二日の時点で三十五世帯前後と交渉が始まっていた。残りの世帯も今月末ごろまでに交渉に入る見通しだが、一部住民からは「個別では不安。団体交渉にしたい」との声も上がっている。
四月二十五日の脱線事故では、電車の一、二両目がマンションに激突。住民は二世帯を残し、JR西日本が用意した賃貸マンションなどに引っ越し、仮住まいしている。
遺族や負傷者に対しては十八日に宝塚市内で説明会を開催。JR側は、過去の鉄道などの事故を上回る水準の補償を言明し、遺児奨学金制度をつくる考えも明らかにしている。
http://www.kobe-np.co.jp/rentoku/jr_amaren/jr_news/2005/2005062406.shtml
尼崎JR脱線事故で、快速電車が衝突したマンション「エフュージョン尼崎」(四十七戸)で十四日、一階駐車場の補強工事が始まった。同マンションをめぐっては、JR西日本が購入時価格で買い取る意向を示したが、合意に達しておらず、耐震性などを不安視する住民の声を受けての工事となった。費用はJR西が全額負担するという。
駐車場はブロックを区切る壁に幅一メートルほどの穴が開くなどの被害が出た。今後壁の厚さを事故前の十二センチから十六センチにするなど補強する。マンションは現在、転居などにより四十五戸が空室状態で、居住は二戸のみ。
http://www.kobe-np.co.jp/rentoku/jr_amaren/jr_news/2005/2005061503.shtml